レビュー

まず、シフティングにタイムラグが感じられない。
シフターを回したとたんに変速される印象。
外装ギアの変速システムのようにリアコグが一周するまで待つことなく変速ができる。

さらに、いつでも変速できる。
ペダリング中でも、ペダルを回していないときでも、ペダルの逆転中でも、止まっている時でも変速でる。
例えば、減速しながらカーブ中に変速し、カーブ立ち上がりに合ったギヤに変えるといったこともできる。

「14段は少ないんじゃないか?」と思ったが、
シマノの9段システムの“44 X 11”から“22 X 34”(最大から最小)とほぼ同じレンジをカバーしている。
しかもそれがシフター一つで操作できるので、かなり快適。

14段の各ギヤ比はみごとに繋がっている感じで、ギヤが変わったのが分からないことが多々あるくらいスムース。
ただし、「Moutain Bike Action」誌での指摘や、「MTB Review」でのレビューにもあった通り、
7段めと8段めに妙な「壁」、つまり引っ掛かる感じがある。どうしてだろう…。

チェーンラインが常に一直線ということが理由と思われるペダリングのスムースさは、内装ギアシステムの大きな特長だと思う。
外装ギアシステムのようにチェーンが横移動しないので、チェーンのコマのリンクにかかる横方向の摩擦がないからだろう。

当然問題点もあって、まず、惰性で走らせると、すぐに止まってしまう。
これはハブ内の全てのギヤが常に噛み合っていて、抵抗が大きいからだと思う。

なにより最大の問題点は「重い!」ということ。かなりの「リアヘビー」状態。
ついでにリアホイールが外しにくくなる。

なにはともあれ、変速に関してあれこれ考えることなく、
(タイミング計ったり、前後のギヤ比考えたり、二つのシフターを操作したり…)
走ることに集中できる感じは、今までに感じたことのない不思議な感覚。

「SPEEDHUB」は決して“イロモノ”ではなく、非常に真面目に作られている。
安くはないし、日本の代理店もないようだし、重いし、インストールにもそれなりの苦労が必要。
でも、バイクに『今までにないマジック』が欲しい人にはお勧め!


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